隠居たるもの、受け持つ役をわきまえる。連日のこととなったり掛け持ちしたりすると、「元気ですか~?」と装ってはみても、体力的にきついことを隠せない。また、中心に座を占めようと張りきっている様子なぞが垣間見えようものなら、はたからは浅ましく思えたりするものだ。なのに、金曜日の夕刻から土曜日の晩にかけてというもの、私は3つの寄合に身を置くことになった。
東京都現代美術館レセプション・「あそびのじかん」
7月20日から、東京都現代美術館では毎度の夏休み企画が始まる。19日の金曜日、「開催に先立つレセプションに行くけど一緒にどう?」と友人から誘われ、喜び勇んで足を運ぶ。「やっぱり館長とかが仰々しく挨拶したりするんだぁ、やっぱりロビーにケータリングが並んでお酒が飲めるんだぁ、ついでに展示も見れるんだぁ」などとキョロキョロしていたら、ご近所の小学一年生 なっちゃんを見つけた。「ワークショップがあって、それに参加した子が保護者同伴で招待された」と母親に聞く。道理で子供が多いはずだ。こちとら55歳になって初めてお声がかかったというのに…。夕食代を浮かそうと料理を待ち構えるガキたち、おじさんは「酒の肴」争奪戦に手加減はしなかった。
Deuxieme Classe はドゥズィエム・クラスと読む
名残り惜しくも展示に夢中のなっちゃんと別れ、お呼ばれしたつれあいのお客様先に顔を出す。MUSE de Deuxieme Classe 六本木ヒルズ店リニューアルパーティー。http://deuxieme-classe.jp アパレルブランドのショップパーティーだもの、それは「みなさん気合の入り方がさすがプロ」というお洒落っぷり。しかし、そもそもがつれあいのお伴だし、すでに酒も入っているし、気後れすることはない。如才なくグラスを重ねるのがここでの私の仕事。やるべきことがはっきりしているから臆することはない。六本木というアウェーの地で、私は自分の「プレイ」を軽やかに披露した。
仕上げは長屋の寄合
明けて土曜日。同じマンションで暮らす若い者たちとわが庵で「暑気払い」。いまだ続く梅雨の最中、尋常でない湿気に包まれ、部屋を掃除するにも汗が吹き出す。適当に声をかけあっていた面子、始まってみれば生後2ヶ月に満たない赤ん坊1人・5歳児2人・20歳そこそこ1人・30代中ばから40代前半6人・50代4人、合計14人となってそれぞれの時間に現れて顔をつきあわせる。そりゃあ楽しいに決まってる。予期せず豊洲で行われていた「STAR ISLAND 2019」の花火がベランダからバッチリ見えて、幼児たちの興奮も最高潮。窓にはこの子たちのかわいい手形がいくつもいくつもついていた。
明日の月曜日が人間ドックだというのに何をやっているんだか…。でもなぁ…。今日は1日節制を心がけよう。若い者をたてて、さりげなく主役を譲る。ああ、もうすぐ隠居の身。いつしか見事な「壁の花」。