隠居たるもの、暮らしの仕事に目を配る。今月に入ってからというもの、天気予報ばかりが気にかかる。九州で降り始めたのが7月3日、今日7月14日はそこから数えるとすでに12日目となる。とりわけてもこの一週間、気象予報士がテレビに現れる度にじっと耳を傾けるわけだが、今朝の話によると、週があけた20日あたりでこの梅雨もようやく矛を収めてくれるのではないかということだ。私が暮らす江東区のピンポイント10日間天気を検索してみても、木曜日の23日には久しぶりに晴れマークがついていた。「やれやれ、やっとこ気兼ねなく洗濯ができるか」と息をついたのも束の間、「あれ、風呂の大掃除を忘れていないか?」と思い当たる。私は3ヶ月に一度、庵のユニットバスの大掃除をすることにしているのだ。
ピカピカにしてくれる洗剤は、ケミカルが強すぎて考えものだ
昨年6月1日「家事労働の楽しみについて」(https://inkyo-soon.com/housekeep/)と12月4日「アタック ZERO プッシュ式 念願の導入」(https://inkyo-soon.com/attack-zero/)において詳(つまび)らかにしたように、こう見えても私は、主に掃除と洗濯を引き受けながら家事をする。中でも、風呂掃除については1年を見越した大まかなスケジュールをあらかじめ決めている。入浴する度に必ずバスタブを掃除するのは当然のこととして、洗い場のぬめりや水アカを適度に日常的にこそげ落としつつ、その上で3ヶ月に一度、それらを根こそぎやっつける大掃除をする。勘定の起点となるのは年末の大掃除だから、12月・3月・6月・9月のそれぞれ月末というのが通例だ。今年はどうにも例年とは変わったいろいろなことがあったもので、本来なら6月末に済ましておくべきことをすっかり忘れていた。綺麗な風呂に常に入りたいものではあるが、水回りをピカピカにしてくれる洗剤は化学薬品が強すぎて考えもの。あまりに神経質に過ぎると、綺麗な風呂であるばかりに身体に悪影響を及ぼすことになりかねない。なので、3ヶ月に一度だけ、ほぼ半日をかけて、この頻度で済むよう、ユニットバスの隅から隅までを磨き上げる。
風呂の大掃除とはこれいかに
シャワーだけで終らぜず入浴を伴うときは必ずバスタブを洗う。そこには、植物由来の成分でできた(いくらかのケミカルは含まれているが)ベルギーの洗剤エコベールを使う。洗い場の床のぬめりや水アカに気づいた時は、ブラシでゴシゴシ擦るか、その上にバスマジックリン(エコベールよりケミカルで洗浄力も強い)を使うかして日常的にこそげ落とす。ぬめりや黒ずみの原因のひとつは石鹸カスだ。滑らないようにざらっと作られているユニットバスの床に、この石鹸カスが蓄積する。だから3ヶ月に一度、バスマジックリンで隅から隅まで磨き上げる。しかしそれだけでは足りない。しつこいやつが深いところにしがみついて離れない。かつてダスキンに勤めていた友人に必殺技を教えてもらった。磨き終えた洗い場の床にティッシュを敷き詰め、そこに「混ぜるなキケン」という激洗剤ドメストを満遍なくふりかける。つまり、ドメストの“つけおき”にするのだ。30分以上1時間未満つけおくと、浴室は小学校のプールの匂いになる。ビニール手袋をしてティッシュをビニール袋に回収、あらためてバスマジックリンで洗い流すと浴室はさっぱりと生まれ変わる。これを記している今まさしく、実はドメストのつけおき中なのだ。クラクラするくらいに重労働で、環境負荷も考えるとあまりにも乱暴だから3ヶ月に一度しかできない。普段はしないかがむ動作が多いため、明日は必ずや筋肉痛になるだろう。
*ドメストは、衣類につくとひどくその色を落としますので注意が必要です。
今晩の風呂は気持ち良く、そしてビールもうまい
私が家事をする時、BGMは常にロンドンパンクだ。水がかかっても大丈夫なJBLの小さなBluetoothスピーカーを浴室にも置いている。今日はThe Clashをデビューアルバムから順番に聴いている。夜には、音楽を聴き雑誌を読みながら、この小さな風呂にゆっくりと浸かる。自宅ならではのささやかな楽しみだ。今晩の風呂は気持ちいいに決まっているし、出てからのビールもうまいに違いない。そういえば、今日の昼にニュースで、赤羽一嘉国土交通大臣が会見中に来週から始まる「Go To キャンペーン」について質問を受け、「旅行に際しては、念には念を入れ、安全第一で行動してほしい」とおっしゃっていたのをお見かけした。ねえ、大丈夫ですか?悩みとか何かございませんか?ビールも美味しくないでしょうに。だって、当たり前の判断ができる人が「念には念を入れて、安全第一に行動」するとしたら、旅行にはまず行かないでしょ?さっさと国会を開いて、とにかく仕事らしいことをしたらどうです?ああ、もうすぐ隠居の身。こちとら今日もしっかりいい仕事をしているのさ。