隠居たるもの、新たなキャンペーンがひらめいた。昨日7月24日は東京オリンピックの開会式が執り行われる日であった。NHKにとってもオリンピックは視聴率を稼ぐ重要なコンテンツ、来年を見据えて「期待」を掻きたてようと無理矢理「感動」を煽る報道に忙しい。御里が知れるってぇやつだ。なにもNHKばかりではない。御里が知れまくる「Go To トラベル キャンペーン」の右往左往ぶりに、納税する気力が日々にそげ落ちる。そんなドッチラケの環境下、梅雨はまだ明けず被災地ではさらなる雨が復興を阻み、こっちはこっちで考えもなく外に飛び出して気晴らしするわけにもいかず、卑近なところでは洗濯物も乾かずどうにもクサクサする。いささかでも心持ちを変えようとデビッド・ボウイ「ジギー・スターダスト」をターンテーブルに載せた。するとジギーに導かれたのだろうか、突然にひらめいたのだ。

「Go To ボランティア キャンペーン」ってのはどうだろう

あれだけの豪雨の被害にありながら、新型コロナウィルスの蔓延を回避するため被災地は県外からのボランティアを受け入れられない。降雨が続き人手も足らず片付けがままならないと見聞きする。政府たるもの、そちらを差し置いて、旅行に「Go To」する人だけ後押しするのは辻褄も合わなければ片手落ちというものではなかろうか。どうにかお墨付きを出して、その意思がある人たちを、その人たちを必要としている土地に「Go To」してもらう工面をする、それこそが政治の仕事なのではあるまいか。そんなこんなを徒然に考えていたら、B面の3曲目「HANG ON TO YOURSELF」に差しかかる。ボウイが 「If you think we’re gonna make it, You better hang on to yourself.(もしみんなでそうしようと君が思うなら、君はもっと自分自身にこだわった方がいいよ)」と何度も歌うのを聴き、私の頭に突然のこと新しいキャンペーンが像を結んだのである。

You better hang on to yourself.

熊本地震で崩落した阿蘇大橋を自動車で渡る

まずはボランティアの募集をかける。応募した人にPCR検査を受けてもらう。陰性を確認すると同時にボランティアを必要とする被災地へ移動してもらい、当然のこと感染防止に留意しながら心ゆくまでボランティアに勤しんでいただく。現地入りから2日をあけてもう一度PCR検査、感染防止対策に万全を期すのは当然だ。その後も一所懸命に体を動かしてもらい、最初から5日ほどした頃合いにボランティア活動は終了。この間の検査、移動、宿泊、現地での食事はすべて公金つまり税金で賄う。そして、ここからがミソなのだが、最後の一泊二日を被災地近くの観光地や温泉旅館(熊本や大分の被災地からすれば鹿児島の指宿や熊本の黒川温泉、大分の湯布院や別府あたりが候補になろうか)で、万難を排してボランティアに駆けつけてくれた方々を「お疲れ様でした」と慰労する(もちろん希望されない方に強要するものではない)。これも税金で負担する。そして最後のPCR検査を受けてから気をつけて居住地に帰っていただく。徹底してPCR検査をするのだから、東京都民を除外する必要もない。

人吉市近く、肥薩線を走るSL

被災地の1日も早い復興の助力になる上に、ボランティアをしているうちは当該地に近い可能な宿泊施設を使い、当該県の観光バス会社に移動を任せ、最終的に観光地の宿にお金を落とせば打撃を受けた観光業に対する支援ともなろう。およそ1週間くらいの「ボランティア キャンペーン」に参加した方々は当地に縁を感じ、しばらく後に家族そろって再訪するかもしれないし、場合によっては移住を決断するかもしれない。1人につき15万円くらいかかったとして、のべ20,000人参加で30億円。布製マスク2枚配布の466億からすればずっと安上がりで、「Go To キャンペーン」の一環としてやればいいのだから予算総額1.7兆円に比して決して大金というわけでもあるまい。どっちにしたって多くの人は今の今に旅行なんかしないのだし、税金を使うのならこちらの方が各方面にわかりやすく効果がある。

2009年、私は球磨川ライン下りを楽しんだ。

「Go To ボランティア キャンペーン」を全国規模で

また、このキャンペーンを「令和2年7月豪雨」に限定する必要もあるまい。東日本大震災、熊本地震、西日本豪雨、千葉における昨年の台風被害などなど、この10年の大災害の爪痕に未だ苦しみ手助けを必要とする地域は日本全国にあまたある。各地に手を挙げてもらって要領同じくキャンペーンの対象地としたらいい。いくらかでも復興が進み、いくらかでも観光業にお金が落ち、その上でこの難局において各地の現況を知り異なる土地に暮らす人々が紐帯を強くする。よくないだろうか?どちらにしろ素人が考えたプランだから、笑い飛ばしながら尾鰭をつけてほしいところだ。

東京オリンピック2020のスローガンは「感動で、私たちは一つになる」だそうだ。「感動」することを強要されていて居心地が悪いし、始まる前から「感動」を押しつけられるのも剣呑だ。どうせ組織委員会を牛耳る電通が考えたのだろ?とにもかくにも、今に必要なのは架空の「感動」にまったりすることではなくて、実地からの「助け合いで、私たちは一つになる」こっちじゃないかと思うんだ。どうだろうか?ああ、もうすぐ隠居の身。もっと自分自身にこだわった方がいい。

投稿者

sanshu

1964年5月、東京は隅田川の東側ほとりに生まれる。何度か転宅するが、南下しながらいつだって隅田川の東側ほとり、現在は深川に居を構える。「四捨五入したら60歳」を機に、「今日の隠居像」を確立するべく修行を始め、2020年夏、フライングして「定年退職」を果たし白馬に念願の別宅「散種荘」を構える。ヌケがよくカッコいい「隠居」とは? 日々、書き散らしながら模索が続く。 そんな徒然をご覧くださるのであれば、トップにある「もうすぐ隠居の身」というロゴをクリックしてみてください。加えて、ホーム画面の青地に白抜き「What am I trying to be?」をクリックするとアーカイブページにも飛べます。また、公開を希望されないコメントを寄せてくださる場合、「非公開希望」とご明記ください。

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