隠居たるもの、一気呵成に動き出す。「引っ越し」なのである。この前の火曜日9月1日に、山の家「散種荘」の現場視察に日帰りで行って帰ってきて、あらかたが出来あがった様子に深く安堵したわけだけれども、そうなると工事完了と物件引渡しの日取りも「それではこの日」とはっきり決まったりなんかして、すると買い込んで庵に積み上がっている段ボール箱の数々、つれあいの仕事場に置いてあるスノーボード一式、サッカー部後輩と姪の住まいにちゃっかり3月から置いたままになっている二段ベッド(参照:「二段ベッドを組み立てる#山の家プロジェクト」https://inkyo-soon.com/assemble-the-bunk-bed/)、家具屋さん預かりになっているいくつもの発注品、こんなあれやこれやを白馬に移動させる算段をつけなくてはならずなんとも忙しない。

「引越し侍」で見積もりを募る

こうも考えるべきことが多いと、久方ぶりにさぞや険しい表情になっているかと思いきや、どうもニヤつきながら忙しがっているらしい。とにもかくにも、遠方であるがゆえに周到に進めなければならないし、日が決まった以上はまず引越し屋さんを手配しなければならない。「『引越し侍』だよ!」とつれあいが言う。「引越し侍」?仕事中に聴き流しているFMラジオのCMに出てくる「引越しの見積もり・料金比較サイト」だそうだ。条件等を打ち込むと複数の業者に無料で依頼をかけてくれるという。まあ、そういう時代だな。この庵に越してきた18年前なんぞは、インターネットで業者を探すことはできたものの、その後は案内されている電話番号に、「見積もりに来てもらいたいんだけれども」とこちらから架電していたのだ。

最終的に日取りが確定し、私たちがそれに合わせてどう行動するかを夫婦間で合意した9月3日の昼下がり、こちらの所在および立ち寄り先そして運び先、引越し希望日、どれほどのそしてどんな荷があるかをテンプレートに打ち込んで、私は「引越し侍」に「一括見積もり」の依頼をかけた。“侍”からすぐに「この3社が適任かと思うので依頼をかけたのでござる」と返信があった。時を同じくして、私の携帯電話が3度たて続けに呼び出し音を鳴らす。他にも「電力会社との契約はどうしますか?」とかメールが送られてくる。なるほど、引越し業社も含めて引越しにまつわる諸々を案内して、契約が成立したら手数料を受け取る仕組みになっているのだな。うまいことを考えるものだ。

スケジュールおよび担当業社を決める

今日は9月6日の日曜日、今日の昼までに3社ずべての営業さんが我が庵にやって来て、フンフンと話を聴いて見積書を置いていった。アリさんマークとアートとサカイだ。それほど代わり映えしないだろうとタカをくくってたんだけど、結構な違いが出るので「へえ」と感心しちゃった。それぞれに得手不得手があるんだろう。こちとら引越し慣れしていないから教えられることも多かった。例えば、3社ともに2軒の立ち寄りがあることは少しも嫌がらなかった。しかし、東京から長野へはそこそこの移動になるから行程が2日がかりになるという。「朝から始めて遅い午後に白馬に車が到着して夜までに積み下ろしが終わる」と勝手に考えていたところ、アリさんマークの営業さんに「そんなに働かせるわけにはいきませんから、労働時間の問題です」とにこやかにピシャリと言われ、不明を恥じるとともに清々しく感銘を受けたものだ。一方、気持ちがわからなくもないのだが、それに3社ともが同じくそうだったわけでもないのだが、競合社の見積り内容に探りを入れたり、「ここで即決していただけたらさらに値引きいたします」というクロージングをかけたりするのはやめたが良くないか?一貫して応じなかったけれども、こちとら相見積もりを取ることにしているのだからして、3社すべてから話を聞くまでは仁義を欠くことをしたくないのだ。とはいえ、営業さん3人とも一生懸命まじめに仕事に取り組んでいる風情で好感が持てた。そして、どこに頼むかはもう決めた。かつてのテレビCMそのまま、最初からずいぶんと「勉強」してくれたからだ。

アオゾラカグシキ會社に赴く

散種荘のリビングセットをこしらえてもらっているアオゾラカグシキ會社(https://www.aozorakagu.com/)に久しぶりに足を向けた。製作真っ最中の発注品をいつ搬入してもらうか打ち合わせるためだ。すべてを一人で切り盛りする彼には人一倍に都合というものがあるだろう。(参照:「アオゾラカグシキ會社で家具をつくる」:https://inkyo-soon.com/aozorakagu/)オーダーの相談を始めてからしばらくして、ひょんなことから彼が大学の後輩、それも同じ学部の後輩だということを知った。お店に置かれている彼が作ったキレイな家具に置かれている本の大体は私も持っている。いつかゆっくりと酒を酌み交わしながら話をしようじゃないか。

他にも搬入の打ち合わせをすべきところがいくつかあるし、これから購入するものも多々ある。火災保険だって引渡し日を始期として契約しなければならない。もたもたしているところに台風がやってきて、無保険のまま水災にあったりしたら目も当てられない。今日だって凄まじい台風が九州にやって来ている。年々と凶暴化する気候に油断があってはいけない。そういえば、3月ごろどっかの誰かが「一気呵成に」ってそっくりかえって言ってたっけ。「一気呵成」とは、物事を中断せずにひと息に仕上げることをいうんだ。あ、ベランダにアゲハ蝶がひらひら翔んでいる…。ああ、もうすぐ隠居の身。しばらくは忙しない日々を愛しむ。

投稿者

sanshu

1964年5月、東京は隅田川の東側ほとりに生まれる。何度か転宅するが、南下しながらいつだって隅田川の東側ほとり、現在は深川に居を構える。「四捨五入したら60歳」を機に、「今日の隠居像」を確立するべく修行を始め、2020年夏、フライングして「定年退職」を果たし白馬に念願の別宅「散種荘」を構える。ヌケがよくカッコいい「隠居」とは? 日々、書き散らしながら模索が続く。 そんな徒然をご覧くださるのであれば、トップにある「もうすぐ隠居の身」というロゴをクリックしてみてください。加えて、ホーム画面の青地に白抜き「What am I trying to be?」をクリックするとアーカイブページにも飛べます。また、公開を希望されないコメントを寄せてくださる場合、「非公開希望」とご明記ください。

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