隠居たるもの、「信州新町本場」の味に舌鼓を打つ。長野県の白馬村と東京の深川を往き来しながら暮らすようになってほぼ半年になる。冬の到来とともに、いきなりに雪がどっさり降ったのにはおののいた。とはいえ、どうにかこうにかその冬も大過なく越せたようだ。となるとそろそろ、「次のこと」に取り掛からねばなるまい。それでは「次のこと」とは何か…。その詳細については追々に省察するとして、まずはジンギスカンなのである。むさしや「信州新町本場ジンギスカン」なのである。

信州新町ジンギスカン街道

信州新町地区内を走る国道19号線、そこには赤いのぼり旗が目印のジンギスカンのお店がいくつも並んでいて、「ジンギスカン街道」そう呼ばれているそうだ。信州新町には羊肉を独特の漬け方で食す文化があって、そんなジンギスカンを供する店が「ジンギスカン街道」に7店舗あって、その中には地元で育てたサフォーク種の肉を食べられる店もあるんだそうだ。横着者で「ドライブしてまで食べに行ってみよう」とまでは計画しない。しかし、馴染みのスーパー ハピアA-COOP白馬店でいつも気になっていた商品があった。目にも鮮やかな むさしや「信州新町本場ジンギスカン」である。(「信州新町ジンギスカン街道」のHP http://shin-machi.com/jingisukanroad/ にも、むさしや食品は登場する)棚の前で「食べてみたいなあ」と指をくわえて訴えかけるのだが、つれあいにいつもニコやかに却下される。このタレに漬け込んだ羊肉を焼く適当な調理器具が、散種荘にはない…。

プリンセスの Table Grill Stone

私たちが愛用しているフライパンは鉄製で、むさしや「信州新町本場ジンギスカン」を焼くと間違いなくタレが焦げつきこびりつく。きれいに掃除しようとすると、フライパン自体に傷がつく。だからといって他に持っている「グリル調理器具」は七輪だけで、これも適しているとは言い難い。だから涙を飲んできたわけなのだ。でも税込646円の「特製生ダレの辛口」を食してみたい。そこで一計を案じた。雪解けが進み春がやってきて、さらに状況が許されることになれば、満を持していた来客たちがチラホラとやって来るだろう。こちら散種荘のダイニングテーブルは大きいことだし、思い切って新しい調理器具を調達してみたらどうだろう。つれあいに内緒で、今までの食生活には必要がなかった「ホットプレート」なるものを調べてみる。すると「これいいんじゃないの?」というのが見つかった。プリンセスというオランダのメーカーが発売している「Table Grill Stone」。あれもこれもできるなどと謳うことなく、シンプルでスタイリッシュなのがなによりいい。つれあいを説得し購入することにした。

「スパチュラ」って、これ「ハガシ」だろ?

遠赤外線効果で食材の芯まで火を通し、こびりつきにくい加工を施しているから油を使わなくてもよく、その上に油が出たとしても微かな湾曲を経て中心に穿たれた穴から落ちるからヘルシーで、汚れは付属の木製「スパチュラ」とキッチンペーパーで拭き取れる。よくできている。そして、この木製「スパチュラ」なるものが、もんじゃ焼きの「ハガシ」そっくりだ。この製品自体が「もんじゃ屋の鉄板」からインスパイアされて考案されたものと推察する。幼少のみぎり、こちとら小銭を握りしめて駄菓子屋でもんじゃを焼いていたのだ。昔とった杵柄、初めて手にするとは思えない絶妙な「スパチュラワーク」を披露した。甘辛のタレに漬け込まれたジンギスカンは臭みもなく柔らかく期待通りに美味しい。つけあわせた人参と大根のグリルも熱々でホクホクだ。つれあいも「これはいい」とジンギスカンの後の食材を準備する。

チーズにこんがらがって

という創作料理だそうだ。ぶなしめじにツマミにしていたチーズを絡めている。その他に納豆もチーズで絡めて焼いたり、目玉焼きをしてみたり、1本だけ残ったソーセージをグリルしてみたり、どれもこれも悪くない。この晩餐は、この度の白馬滞在最後の夕べ(2021年3月8日)のことだ。つまり、またしばらく留守にするのだからして、冷蔵庫を空にするため、中途半端に残っていたものたちを、あれこれ頭を悩ませることなく、新調した調理器具の上に喜び勇んで載せているだけだ。むさしや「信州新町本場ジンギスカン辛口」は袋詰めであるから、その他の生鮮メイン食材より賞味期限も長い。あにはからんや、これを最終日の晩餐にするのはまったくもって理にかなっていたのだ。

「白馬コーリング」

「山の家を作りたい」という「山の家プロジェクト」はなんとかかんとか成就して、だからといって、これから取り組むべき「次のこと」がなくなった訳ではもちろんなく、今回のむさしや「信州新町本場ジンギスカン」からの「プリンセス Table Grill Stone」だってそのひとつ。だから「白馬コーリング」、また「楽しからずや」なのである。もちろんThe Clashの「ロンドンコーリング」にあやかっている。ああ、もうすぐ隠居の身。ずっと呑気なコーリングではあるが。

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投稿者

sanshu

1964年5月、東京は隅田川の東側ほとりに生まれる。何度か転宅するが、南下しながらいつだって隅田川の東側ほとり、現在は深川に居を構える。「四捨五入したら60歳」を機に、「今日の隠居像」を確立するべく修行を始め、2020年夏、フライングして「定年退職」を果たし白馬に念願の別宅「散種荘」を構える。ヌケがよくカッコいい「隠居」とは? 日々、書き散らしながら模索が続く。 そんな徒然をご覧くださるのであれば、トップにある「もうすぐ隠居の身」というロゴをクリックしてみてください。加えて、ホーム画面の青地に白抜き「What am I trying to be?」をクリックするとアーカイブページにも飛べます。また、公開を希望されないコメントを寄せてくださる場合、「非公開希望」とご明記ください。

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