隠居たるもの、やり場のない痛みにひたすら耐える。今度は神経痛である。部屋の模様替えも功を奏し、ぎっくり腰の不安が解消したのもつかの間、右肩とその周囲がとにかく痛い。兆候のあった五十肩がまず本格的にやってきて、右腕を不用意にあげたり伸ばしたりするたび悲鳴をあげるようになる。そうこうしているうち、一年半ほど前に経験し「五十肩の再発と思いきや、今度は首からくる神経痛」で省察した神経痛と思しき症状がハモリだす。ダブルパンチだ。不用意な動きをしなければ五十肩はなんとかやり過ごせるが、上腕にまで及ぶ神経痛は間断なくジンジンとやりきれない。ぎっくり腰に見舞われた日から勘定するとおよそ2ヶ月、ずっと身体のどこかしらが痛い。前日から続いて朝から雨が降る2021年4月14日、辛抱たまらず日本橋KIZUカイロプラクティックANNEXのコンドーくんにまたしても助けを求めた。

頚椎の5番と6番の間が加齢でつまって、いくらか潰れてはみ出している軟骨が神経に触る

一年半前に「頚椎の5番と6番の間が加齢でつまって、いくらか潰れてはみ出している軟骨が神経に触っている」と当時の勤務先に近い整形外科で診断された。1週間分の痛み止めを処方され、週に2〜3度「首の牽引(けんいん)」をするよう指導され3ヶ月ほど通院した。もう勝手はわかっている。「首をつり上げる」ことができるなら、なにもその度に310円払って通院することもなかろう。そう思って工夫して居住環境でやってみた。これはいい。「つまり」が解放されるのか楽になる。自宅だから1日に何度だってできる。しかし、楽になるのは牽引している最中だけだ。首を外してしばらくすれば再びジンジンと痛む。とりわけても夜中がきつい。就寝中に一度はトイレに目が覚めるお年頃、規則正しくもぞもぞ起き出すわけだが、それから先が痛くてろくすっぽ眠れない。右側に寝返りをうつと五十肩の右肩が潰れ、あおむけでいると上腕の神経痛がひときわジンジン、左側に寝返りをうってほんのちょっとだけ緩和する、そんなぎっくりばったりを繰り返す。「頚椎のつまり」が悪化していたらいけない。深川の近所の整形外科に足を運んでみた。

「乱暴な言い方をすれば、ほっとけば治る、そういうもんですから」

清澄通りの興隆菜館で「もやしそばと半チャーハン」680円のランチを食しながら、レントゲンを解説する先生の言葉を想起する。「確かに5番と6番の間がつまっていますね。でも56歳という歳からしてそれほど酷いというわけではありません。五十肩も深刻なほどではありません。といっても痛いのは辛いですから、痛み止めを1週間分出しておきます。牽引はどうしますか?してもしなくてもいいですよ。乱暴な言い方をすれば、五十肩も神経痛もほっとけば治る、そういうもんですから」確かにそうなのだろうね、うちで「牽引」を続けてみる、親父だってそうしていたもの…。当初は効いていた痛み止め、2日も飲んだ頃には何の足しにもならなくなった。四六時中ジンジンと痛い。楽なのは牽引している15分ほどの間だけ、そして連日の寝不足、あげくに首から続く背筋が「ピキッ」と硬直しかける。これはヤバい…。藁にもすがる思いで日本橋KIZUカイロプラクティックANNEXのコンドーくんに連絡を入れた。

「硬直しちゃった筋が神経を挟んで引っ張っているんです」

「右腕を正面からまっすぐ上にあげてみて下さい。ああ、そこまでですか。はい、今度は横から。ふんふん、ここまでですね。首を左に向けて。はい、右に向けて。おそらく首をのけぞるのは辛いでしょうけど、どうです?のけぞれますか?やっぱりきついですか…。わかりました。まず仰向けに寝てみてください。寝るときにはこうしてください」コンドーくんは肩あたりにひとつ枕をあてがい、それに重ねて枕を置いて、頭の位置をすこぶる高くした。「どうですか?楽になってませんか?そうでしょう。枕をしていても、寝るといくらか首はのけぞるんです。今のあなたはのけぞる分だけ頸椎がつまって神経にさわります。それが痛い。体の他の部分には良くないのでずうっとというわけにはいきませんが、クッションとか使ってしばらくはこうして寝てください。ぐっすり眠ることが今は重要です。え?寝てるままより起きちゃった方が痛みが和らいでましたか、ええ、そういうことなんですよ」ああ、わかってくれる人がここにいた。

「あなたの身体の癖からして」

「身体の癖からして、あなたは首の左側から肩にかけての筋肉が固まりやすい。そこにもってきて右肩に五十肩が出てしまい、またそれをかばううちに右肩周辺の筋肉が縮こまって前に傾いたまま下に落ちるようにして固まってしまった。左と右下方の両方から引っ張られて首がまったく身動きがとれない。そして硬直しちゃった筋が神経を挟んで引っ張っているんです。だからダブルパンチで出てしまった神経痛は居座ったまま。こんな感じです。そのあたりをほぐしておきました(実際、ゴリゴリやってもらった)。整形外科からしたら良くも悪くもそうとしか言えませんが、確かにほっとけば治ります。だけどほっといたらすごい時間がかかりますよ。次はいつ白馬に行くんですか?なるほど、それまでにできたら2回来れたらいいんだけどな」2回の予約を入れた。コンドーくんは「マジックハンド」とかいう怪しい類の人ではない。道具だって使う。そして一貫して理屈が通っているコンドーくんは、私の身体の「成り立ち」を熟知しているのだ。「神経」がからむから整形外科と思い込んでいたが、とんだお門違いだった。その夜は久しぶりにぐっすり眠れた。

環境を整える

加齢している以上、加齢に原因が求められる事象に無駄に抗っても仕方ない。しかし、腰周り同様こうも頻繁に首周りに支障が起きるにはなんらかの要因があるに違いない。腰の場合はそれに気づいて模様替えなぞをしてみたわけだが、首の方は果たしてどうか…。思い当たる節があった。深川の庵の書斎に据え置かれたデスクトップPC、9年前に購入した27インチiMac、このパソコンに向かうとき、ここ数年は気づくと首を前に突き出しのけぞるような姿勢になっていた。著しく疲れる。かつてはそんなことなかったのに、筋力が落ちたからだろうか…。違う、視力つまり目が衰えたからだ。デスクトップは適正な距離に動いてくれないので、こちらの姿勢で調整しようと負担を重ねていたのだろう。いざとなったらコンドーくんに助けてもらうにしても、自身の「変化」には敏感でいたい。ああ、もうすぐ隠居の身。「隠居」には問題解決能力が求められるのだ。

参照:日本橋KIZUカイロプラクティックANNEX https://kc-annex.com/ 「五十肩の再発と思いきや、今度は首からくる神経痛」https://inkyo-soon.com/neuralgia/ 「日本橋KIZUカイロプラクティックANNEXでギックリをときほぐす」https://inkyo-soon.com/chiropractic/

投稿者

sanshu

1964年5月、東京は隅田川の東側ほとりに生まれる。何度か転宅するが、南下しながらいつだって隅田川の東側ほとり、現在は深川に居を構える。「四捨五入したら60歳」を機に、「今日の隠居像」を確立するべく修行を始め、2020年夏、フライングして「定年退職」を果たし白馬に念願の別宅「散種荘」を構える。ヌケがよくカッコいい「隠居」とは? 日々、書き散らしながら模索が続く。 そんな徒然をご覧くださるのであれば、トップにある「もうすぐ隠居の身」というロゴをクリックしてみてください。加えて、ホーム画面の青地に白抜き「What am I trying to be?」をクリックするとアーカイブページにも飛べます。また、公開を希望されないコメントを寄せてくださる場合、「非公開希望」とご明記ください。

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