隠居たるもの、口座の残に身が凍る。昨年2020年7月に「定年退職」してからこのかた、「賃労働」をせずに凌いできたわけだけれども、さすがにあれからそろそろ一年ともなると懐の具合が怪しい。無闇に「隠居」という言葉を振り回すものだから、「悠々自適」と勘違いされておられる方もいらっしゃるようだが、実のところ年金が振り込まれるようになるまでこれから8年、いまだ隠居にたどり着いていない我が身、とてもじゃないがそれほど悠長にもしていられない。退職金の大半は白馬 散種荘に化け、残りの一部を小遣いにあてて「ずっと働いてきたんだもの、少しはゆっくりしよう」と呑気にしていたのもそろそろお開き、今月に入って私はパートタイムジョブを探していた。

調子にのってレコードを買いすぎちゃったから

新型コロナ禍もあって、外に出ず家の中で暮らすことが多い。すると、ついつい「あれはどうだ?」と色々みちみちとインターネットで調べ始めてしまって、「あ、なんだ、このレコードの中古盤がこんなところにあるじゃないか。となると、これもあるかな?」なんて際限がない。そうこうしているうちに「あなたはこれにもご興味があるんじゃないですか?リイシューの新品ですけど持ってます?」とやはりインターネットのあっちからこっちから売り込みが入ったりする。この数ヶ月、私は彼らの「カモ」だった。卑近なこのレベルでこうなのだもの、大資本にビッグデータの「活用」なんか絶対にさせてはいけない。私たちは「消費」の泥沼にからめとられ、結局は「消費」のために「奴隷」がごとく働くことになる。しかしだ、一方で新型コロナウィルスによってこの16ヶ月の間ほとんど宴席が持たれなかったことを考える時、その余波で「酒の誘いを断らない男」の小遣い目減りペースが通常になく鈍化したことも事実だ。ゆえに私のモラトリアム期間は想定外に長くなった。

「ボスしけてるぜ」

まずは2021年6月1日、つれあいのちっちゃなひとりなり法人の役員(そうでなく社員にしちゃうと労働保険を負担しなければならないから)になった。アパレル企画と茶道教授をつつましく展開する会社だが、そうしたことを仕事とする人の典型であるつれあいは細々とした「会社的業務」が苦手。それを私が非常勤で担当することにしたのだ。それに際し、つれあいはRCサクセションの歌を口ずさむ。「ボーズ、お前のために 俺の会社はつぶせねえな、ボーズ」と。上場もしていないちっぽけな会社の非常勤役員はとてつもなく薄給だ。社会保険関係を確保できることはただただありがたいが、そこから「小遣い」というほどのものは発生しない。「ボスしけてるぜ」、私は小遣い稼ぎのため他にパートタイムジョブを探さなければならない。失業保険の給付期間はもう終わっている。

頼りはTOWN WORK

この前に仕事を探していたのは19年前の2002年のこと、それにしても便利になったものだ。まるでレコードを探すようにインターネットを開けばいいだけだもの。こちらの条件と要望を打ち込むと勝手に「これなんかどう?」とTOWN WORKが紹介してくれる。ありがたいことに「もうすぐ隠居の身」なのだし、なにがしかの「小遣い」が稼げればいいのだし、白馬との二拠点生活の支障になるからフルタイムの仕事も避けたいし。だから「パート・シフト制希望・57歳・男」で検索をかける。すると警備員の仕事ばっかり出てくる。あ、その他にもたくさん出てくるジャンルがある。各地で「官公庁の短期の仕事」、よく見ると「高給!新型コロナワクチン接種のコールセンター業務」…。これも竹中平蔵の(株)パソナがごっそり中抜きして仲介しているのだろうか。過重な負荷をかけられ混乱するコールセンターの現場、メンタルやられて離職を余儀なくされる人が後をたたないと聞く。所詮は「使い捨て」ってわけか…、求人情報というのは勉強になるものだ。

「保険代理店の事務パート」という募集があったから、「こちとら厳しい保険営業の世界で19年間それなりに成果を出してきたお兄いさんだ、裏方に徹したらさぞや頼もしかろう」と自信満々・意気揚々と応募してみた。面接と試験の結果、「恐れ多くて…。不採用です」と断られてしまった。落ち着いて考えてみれば、それはそうで、ちょっと悪いことした。

来週からアルバイトを始めます

結局、もう一つ応募してみたところで、来週から34年ぶりのアルバイトを始めてみる。オンラインで課された試験が難しくてびっくりしちゃったんだけど、「合格・採用」ということで、さっき「オンライン事前研修」も済ませた。まあ「守秘義務」とか色々あるようなので、「教育関係のスポットの仕事」というだけに留めておきます。とはいえ、私はフリーターとして記念すべき第一歩を踏み出すというわけだ。だもんで、この省察のペースは少し落ちるかもしれない。しかし、これは道楽なのであるから、相応に続けていこうと思う。非常勤役員・パート・いつまでたっても素人ブロガー…、これって三足の草鞋か?そういえば、白馬ファーム株式会社の武田社長はこうおっしゃっていた。ああ、もうすぐ隠居の身。「年とるとさ、あれやったりこれやったりした方がいいんだよ」

投稿者

sanshu

1964年5月、東京は隅田川の東側ほとりに生まれる。何度か転宅するが、南下しながらいつだって隅田川の東側ほとり、現在は深川に居を構える。「四捨五入したら60歳」を機に、「今日の隠居像」を確立するべく修行を始め、2020年夏、フライングして「定年退職」を果たし白馬に念願の別宅「散種荘」を構える。ヌケがよくカッコいい「隠居」とは? 日々、書き散らしながら模索が続く。 そんな徒然をご覧くださるのであれば、トップにある「もうすぐ隠居の身」というロゴをクリックしてみてください。加えて、ホーム画面の青地に白抜き「What am I trying to be?」をクリックするとアーカイブページにも飛べます。また、公開を希望されないコメントを寄せてくださる場合、「非公開希望」とご明記ください。

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